Twitterで泣きそうって書いたけど、ぶっちゃけ、ちょっと泣きました。寂しくて、悔しくて。
衝撃的なニュースが入ってきて、仕事が一瞬手につかなくなりました。
いつか必ず来る、バンディエラの引退。その時のことを考えないわけにいかない…そんな気持ちに強制的にさせられたのも、悲しくなった要因ですね。
小笠原満男選手が引退
Jリーグを愛してるサポーターならどのチームのサポーターでも、衝撃を受けていると思います。
鹿島アントラーズサポーターにとっては、レジェンド、ミスターアントラーズとして…
他チームのサポーターにとっては、憎き鹿島アントラーズの象徴、最強のラスボスとして…
小笠原満男は君臨し続けました。
怪我で試合に出れなくても、若手が台頭してきてポジションを奪われても、対戦する川崎フロンターレにとって鹿島アントラーズは小笠原満男のチームだったと思います。
少なくとも俺にとっては、小笠原満男率いる鹿島アントラーズ、でした。
こんなに憎くて、強くて、倒したい!って思う相手は小笠原満男だけだと思います。
他にもライバル!負けたくない、と思うチームはあるし、選手もいるけど、小笠原満男は特別でした。
鹿島アントラーズという勝利至上主義、2位以下は意味がないと言い切るチームの中で、尊敬というより畏怖の対象。
鹿島アントラーズイズム、ジーコイズムを人間で表したら、小笠原満男になる…そんなプレイヤーでした。
アンチ小笠原満男が一番寂しいのでは…
小笠原満男は、他チームのサポーターに本当に嫌われていました。
勝つことをメインに捉えるそのサッカー感は、時としてプレーを荒くし、マリーシアの権化のように映りました。
天皇杯決勝での小笠原満男のラフなプレーを、川崎フロンターレサポーターはみんな忘れてない…そういうプレーを、意図的にできるのが小笠原満男でした。
決勝で勝てない、勝負弱いフロンターレというチームが、小笠原満男のあのプレーで浮足立ち、初のカップ戦タイトルを逃したとき…『小笠原め…(怒)』とむかつきつつも、どこかで『あれでこそ、小笠原満男。あれこそが鹿島アントラーズ』と考えたのを思い出します。
俺はアンチ、というほどには小笠原満男が嫌いになれなかったし、川崎フロンターレ相手でなければ、鹿島アントラーズのサッカー(いわゆる鹿島る)も、すごいなぁ…強いなぁ…と見ているタイプなのですが…それでもこんなに寂しいのであれば、アンチ小笠原満男はどれだけ寂しいんだろう。
せいせいした!やっと引退した!大嫌いだった!
って言っているアンチ小笠原満男の人たち。
でも…アンチほどその選手を見ている人はいないと思っています。
ファンでもなかなか気づかないようなプレーや、アラを見つけて責立てる。そのためにはたくさん小笠原満男のプレーをみたと思います。
時には自分が応援しているチームより、長い時間小笠原満男のプレーを見て、悪口を言っていたのではないでしょうか?
俺の持論ですが…嫌いで居続けるというのは、よっぽど興味がないと持続しない…と思っているので、アンチにとって小笠原満男を嫌うこと、というのはある意味でサッカー観戦の核だったんじゃないかな…
もちろん、そんなことない!って言う人もいると思うので、あくまでも持論です。
来年、悪口を言いたくても小笠原満男は鹿島アントラーズにいません。
ひょうひょうと勝ちにこだわって、イヤーなプレーをする小笠原満男は鹿島アントラーズにいません。
なんか、ぽっかりと心に穴が空いた気分になりませんか?
…小笠原満男の引退、悔しくないですか。俺は悔しいです。
カップ戦決勝で小笠原満男のいる鹿島を倒したかった
そう思ってる川崎フロンターレサポーターはたぶん俺だけじゃないはず。
川崎フロンターレが、カップ戦の決勝で鹿島アントラーズを下して、タイトルを獲得するときに、小笠原満男がいて悔しい顔を隠しもしないで、それでも中村憲剛に「おめでとう」という瞬間が見たかった。
鹿島アントラーズを決勝で倒したい、その夢の大部分は小笠原満男を悔しがらせたい、という感情だったのかもしれません。
俺が川崎フロンターレにハマってから、小笠原満男はずっと嫌いで、憎い、倒したくて倒したくてたまらない相手でした。
勝ちにこだわれる、鹿島アントラーズの象徴。鹿島アントラーズ=小笠原満男、でした。
だから、カップ戦決勝で小笠原満男を倒してないから、悔しくて寂しくて涙が出ました。
勝ち逃げされた気分です。
憎い強い鹿島アントラーズの象徴でいてくれてありがとう。
鹿島アントラーズが、これからどうなるかはわからないけど、鹿島にとってだけではなく、Jリーグにとって偉大な選手でした。
一つの時代の終わり。
小笠原満男の引退を一つ下の中村憲剛に重ねてしまう、そんな川崎フロンターレサポーターも多いのではないかなー。
ずっと第一線で走ってきてるから、そんな日は来ないんじゃないか?って錯覚しちゃうけど、いつか中村憲剛も引退するんだよな。仙人ってなってるけど、人間だからね(笑)
来たるべき日が来るまで、いつその日が来てもいいように、中村憲剛の一挙手一投足を目に焼き付けようと心に誓うきっかけにもなった、小笠原満男引退でした。
もう、こんな嫌いですごい選手出てこないだろうな。寂しい。悔しい。