川崎フロンターレに欠かせない生え抜き大卒Jリーガー。なぜ川崎で大卒が活躍するのか?ポジティブな要因と、ネガティブな要因。

川崎フロンターレといえば、大学卒業後にJリーグに入ってくる大卒Jリーガーの選手が多い印象ですよね。

川崎フロンターレのバンディエラ中村憲剛は中央大学卒業、得点王&MVPのキャプテン小林悠は拓殖大学。それ以外にも、車屋紳太郎、谷口彰悟が筑波大学、控えには長谷川竜也(順天堂大)、知念慶(愛知学院大)、守田英正(流通経済大)、脇坂泰斗(阪南大)と生え抜きの大卒Jリーガーの多さに圧倒されますよね。

ちなみに昨日のACLでの鹿島アントラーズのスタメンには大卒生え抜きはゼロ。その代わり下部組織からの生え抜きはかなり多かったですが…。鹿島アントラーズと何かと比較されることの多いチーム作りですがその点がかなり異なっているといえます。これはセレッソ大阪、柏レイソルでもいえることですが、下部組織から上がってくることが多いですが、大卒が強い印象はないですよね。

川崎の大卒Jリーガーの活躍はなぜ?

ネガティブ要因…育成が弱い

これは間違いなく言えるんですが、ネガティブにとらえると、育成が弱いです。鹿島アントラーズ、柏レイソル、セレッソ大阪、ガンバ大阪など、ユースからレギュラーをどんどん出していますよね。

しかし、川崎フロンターレはユース出身のレギュラーはゼロ人です。つまり育成とトップチームがイコールで結ばれていないといえます。欲しい選手を育てられていないってことですね。

トップに昇格した板倉滉&三好康児が他チームにレンタルで放出されて、安藤駿介も試合に絡めず、田中碧も試合に絡めていません。その状況ですから大卒即戦力のJリーガーと、他チームから移籍してきた選手が活躍するのは間違いないよね。

ただ下部組織も風間八宏監督よりちょっと前ぐらいからトップチームと一枚岩になってきている気もするのでそろそろトップチームでバリバリ活躍するユース出身の選手が出てくる時期だとは思いますけどね。

ネガティブ要因…求めるサッカーの質が高い

これはネガティブにとらえられる、っていうだけでポジティブな要因でもあるんですが、下部組織で今はトップチームと同じサッカーが教えられるようになっていますが、それが浸透するには時間がかかるし、やりたいサッカーをできるサッカーIQの高さが求められるので、おのずと、サッカーを知っている選手が必要になり、それが川崎フロンターレにとって、大卒選手があっているっていうことなのかなと。

高校からすぐにプロに入ってきた選手が、なかなか川崎フロンターレのサッカーにフィットしないのはそういうところなのかなーと個人的には思っています。

ポジティブな要因…目標としてバンディエラがいる

これは間違いないでしょうね。川崎フロンターレの中心が中村憲剛という大卒の選手で、30代後半なのにJリーグで一番パス出来る選手で、ベストイレブンにも選出されて、優勝も経験、一昨年はMVPも取れてるし、大卒選手として歴代最高レベルの選手がいるわけですからね。

これはJリーグの扉をたたく選手にとってかなりのプラスだとおもうんですよね。中村憲剛以上になれるかどうかはさておき、中村憲剛みたいな目標とする選手がいるっていうのは大きいと思います。

中村憲剛も言っていましたが「先輩がいるのは心強い」と思います。ちなみに中村憲剛が入るころには、立命館大学を卒業して川崎フロンターレのレギュラーとして長く活躍した伊藤宏樹(現スカウト)がいたわけで…。川崎フロンターレ=大卒の生え抜きが長く活躍するというポジティブなイメージを持たれているのは間違いないですよね。

「自分で言うのも変だけど、大卒の生え抜きの俺らが長くいるから、周囲もそういう見方をするんだろうね。きっと、今の学生から見るフロンターレ像も同じだと思う。だから、有望な大学生も来てくれる。先輩がいるのは、やっぱり大事。

俺も宏樹さん(現スカウト)の背中を見ていたから。このクラブで長くやりたいと思うもの。俺の背中を見て(小林)悠が、悠を見て(谷口)彰悟が、彰悟を見て(車屋)紳太郎って……。みんな先輩を見ている。生え抜きが、また次の生え抜きを生む。いまサイクルができている。これはクラブにとって、すごく大事なこと」

ポジティブな要因…スカウトが大卒に強い

他のチームでは、大卒選手は即戦力として迎えられるものの、コンスタントに出場できるのはひと握りで、まして「生え抜き」と呼ばれて主軸となる人はさらに減ります。それが川崎フロンターレでは、フジゼロックススーパーカップでは主力に4人、控えに3人というすごさ。

中村憲剛は、

「うちには目利きの(向島)建さん、(伊藤)宏樹さんといったスカウトがいるから。チームに合致する選手を取ってきていると思う。大卒はしっかりしている選手が多いし、クラブカラーにもマッチしている」

と言っていてその通りの活躍をしていると、うちの向島スカウトすごいんだなーと。

向島スカウトは、新人選手を獲得する上で重要視するのは人間性と言っていますし、素直でいい選手が本当にたくさん入ってきてくれていますよね。

「プロだから試合に出られないこともある。そのとき、壁をいかに乗り越えるかが大事。自分をコントロールできないといけないし、自分で課題を見つけて、自分で努力できないといけない」

「苦労して、努力してはい上がるのもフロンターレっぽいかなと」

 

日本サッカー界大卒Jリーガーを持て余し気味

2017年の開幕戦である数字が出ました。
 
「112:50:36」 

J1リーグ開幕戦でスターティングメンバーとしてピッチに立った選手が18チーム合わせて198名。そのうち、112名が高卒でJリーグへ加入した選手であり、50名が大卒、36名が外国籍の選手たち。

 
大卒選手に対して2.24倍の割合で、高卒の選手たちが先発しています。
 
ちなみにJ2、J3とカテゴリーを下げるごとに大卒選手の比率が増えていくのが、日本サッカー特有の現象だといえます。下部カテゴリーで大卒選手が増えるのは安いからですね。新人契約の年俸上限は「480万円」だからね。実力に関係なく安く買えるのは下部リーグにとってはメリットでしかありません。金額に下限はなし。
だから大卒Jリーガーは便利使いされることが多いんですよね…。才能ある選手がそんな金額じゃサッカーなんかできないと、就職を選ぶ…なんてことも多いのが悲しい日本サッカー界の現状。
 
大卒で活躍している他チームの選手で言うと…永井謙佑(福岡大)、江坂任(流通経済大)富樫敬真(関東学院大)などなど優秀な選手たちがいますが、彼らは大学サッカー界のトップだった選手たちではありません。
 
中村憲剛のように有名ではなかった選手が活躍している今のJリーグ。埋もれた才能の中に原石を見つけて掘り起こしている川崎フロンターレをみるのはとても面白いですよね。
 
そんなことを思いながらアオアシを読むと、ユースはユースで大変そうだけど。
 

中村憲剛がすごすぎるって話もありますけどね。