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「21世紀最大の人道危機」と言われるシリア「内戦」。
2011年3月から6年以上も続くシリア内戦ですが、
アサド政権と反政府勢力の衝突に加え、
過激派組織ISなどの出現でさらに泥沼化。
軍事介入したアメリカやロシアなどの空爆によって、
多くの民間人も犠牲となっています。
サッカー界の英雄もシリアの内戦では心を痛めています。
⇒カメルーン代表がボーナスでもめる姿は見れない…。ロシアW杯予選敗退。
レアル・マドリードに所属する、
ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドは、
内戦で苦しむシリアの子供たちに援助の手を差し伸べました。
シリアでは約750万人以上もの子供たちが、
内戦による被害を受けているそうです。
A message of hope to the children affected by the conflict in Syria. @SavetheChildren pic.twitter.com/Zsdvu2nuXd
— Cristiano Ronaldo (@Cristiano) 2016年12月23日
シリア代表の夢は終わらない
そんなシリア代表が、アジア最終予選を快進撃で進み、
グループAの3位でオーストラリアとの第5代表決定戦に進むことが決まりました。
ワールドカップには出場経験はありません。
1966 FIFAワールドカップの予選では、ヨーロッパグループに属し、
スペインとアイルランドと争うこととなりましたが、
アイルランドとの試合前に予選を棄権。
1986 FIFAワールドカップのアジア予選では最終予選まで進出し、
イラクとのホーム・アンド・アウェイで勝てばワールドカップ初出場という場面まで進みましたが、
ホーム0-0、アウェイ1-3で敗れ出場を逃し…
その後のワールドカップ予選では早々に敗退する事が多く、
2014年の予選では無資格選手を出場させて、失格になっています。
2014年の失格は、
3次予選組み合わせ決定後、
2次予選でスウェーデン代表歴のあるジョージ・ムラードを登録・出場させていたことが判明したもの。
そして内紛が続く中…
2018 FIFAワールドカップ・アジア予選では、
3次予選に進出し、グループA3位で4次予選に進出することが決まりました。
⇒韓国は?オーストラリアは?アジア最終予選各グループリーグを突破するのは?残り2.5枠の争い。
3次予選の最終戦は圧倒的な堅守を誇るイラン代表から2得点。
この最終予選でイラン代表が喫した失点は、2。
つまりこのシリア代表からの2点のみ。
シリアは前半13分、モハマドの先制ゴールで先制。
これがイラン代表がこの最終予選で初めて喫した失点となりました。
前半45分、そして後半19分とイランFWアズムンに2ゴールを許して、
逆転され…かなり苦しい展開となりましたが、
後半アディショナルタイムの93分。
シリア代表のFWオマル・アル=ソーマが劇的な同点ゴールを決めて、
首位イランから勝ち点1を奪い取りました!!!
内戦が続くシリアは、国外に避難する人が多く、
その方々へ大きなエールとなったのではないでしょうか。
FIFA(国際サッカー連盟)公式サイトでも激賞されてますね。
スコアレスドローで2位確保を決めた韓国だけではなく、
グループ首位のイラン相手に終了間際の同点弾で2-2のドローに持ち込んで、
3位に滑り込んだシリアを「夢は続く」と激賞しています。
FIFAの公式サイトでは、
「彼らは成し遂げた!
タシケントでの結果を受けて、テクニカルスタッフを含めてシリアは選手とともに喜びを露わにした。
彼らのW杯の夢はオマル・アル=ソーマのぎりぎりのゴールによって決まった。
北中米大陸間プレーオフの4位との試合に先立って、
プレーオフでオーストラリアもしくはサウジアラビアと対戦する」
と伝えていました。
政情不安が続いて、
ホーム扱いでも中立地での試合を余儀なくされるなど逆境続きだったシリア代表。
シリア国民に希望を与えるこのドローでしょうね。
ワールドカップへ出場したら、初出場です。
プレーオフでは、オーストラリアと対戦が決まりました。
シリアの夢はまだ続きます。
政情不安を乗り越えて、
夢をつないでほしいですね…。
⇒日本代表vsサウジアラビア代表。スタメンは4人変更で挑む最終戦。
「シリア内戦」については
末近浩太立命館大学教授の文章がわかりやすいのでこちらをどうぞ。
⇒http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48257