中断期間を経て迎えたJ1第7節、舞台は伝統の一戦「多摩川クラシコ」。川崎フロンターレにとっては約2週間ぶりの公式戦となりました。アウェイ・味の素スタジアムというアウェイの地にも関わらず、多くのサポーターが駆けつけたこの試合。勝点3を奪って再スタートを切りたい気持ちは、選手たちのプレーに如実に表れていました。
前半はFC東京に押し込まれる時間帯もありながら、守護神・山口瑠伊のファインセーブをはじめとした粘りの守備でスコアレスに耐える展開。そして後半、流れが一変。山田、伊藤、エリソンと3人のゴールで見事に勝利を収め、今季の川崎が確かに変わりつつあることを感じさせる内容でした。
この記事では、多摩川クラシコの試合内容を振り返りながら、注目選手の活躍、試合を分けたポイント、そして次節への期待についてサポーター目線で深掘りしていきます。
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川崎フロンターレ、待望の再開試合で大勝スタート
多摩川クラシコへの特別な想いと2週間の準備
中断明け初戦、しかも伝統の「多摩川クラシコ」というだけで胸が高鳴る一戦でした。アウェイの味の素スタジアムという環境にも関わらず、サポーターはもちろん選手たちもこの特別な試合にしっかりと照準を合わせて準備をしてきたのが伝わってきました。
2週間のインターバルを経て、コンディションの調整だけでなく、チームとしての連携も再構築されていたように思います。実際、前半こそスコアは動かなかったものの、ピッチ上では全員が一つの方向を向いて戦っていた印象を強く受けました。
試合前のコメントで指揮官も「攻撃面で練習してきたことをもう少し出したかった」と語っていましたが、選手たちの試合に対する意気込みと準備の成果は、随所に感じられる内容でした。クラシコでの勝利を目指す姿勢がしっかりとピッチに反映されていたと思います。
前半は苦しみながらも無失点キープ、粘り強い守備が光る
前半はFC東京に主導権を握られる場面も多く、特に序盤は俵積田や白井の突破に手を焼く時間帯がありました。それでも、GK山口瑠伊を中心とした守備陣が集中力を切らすことなく対応。7分の飛び出しセーブは、まさに今節のハイライトの一つと言えるプレーでした。
中盤では大島と山本のボランチコンビが奮闘し、セカンドボールを拾って攻撃の芽を作るシーンも。脇坂やマルシーニョが左サイドで崩しを試み、山田が前線で体を張っていたのも印象的でした。とはいえ、決定機をものにできなかったこともあり、前半はスコアレスで折り返し。
この「0-0で耐える時間」を作れたのは非常に大きかったと思います。過去のクラシコでは、先に失点して自滅する展開が多かっただけに、この我慢の時間が後半の爆発につながったと言っても過言ではありません。
ハーフタイムで修正成功、後半のゴールラッシュへ
ハーフタイムに入ると、明らかにフロンターレのギアが一段階上がりました。試合後の監督コメントからも「押し込む時間帯を増やしたかった」という狙いがはっきりと伝わってきますが、その意図が見事に形になったのが後半の戦いぶりです。
後半10分、丸山のインターセプトから脇坂、そして山田新へとつながった流れるようなゴールは、まさに狙いどおりの展開。ここからは完全に川崎の時間となり、交代出場の伊藤、エリソンが立て続けにゴールを奪って試合を決定づけました。
まさに、修正力の勝利。守備から攻撃への切り替え、交代選手の活躍、そして攻守にわたる統率されたチーム力。再開初戦とは思えないほど完成度の高い後半だったと感じています。
勝利を呼び込んだ3ゴールの真価
先制点は山田新、執念の反転シュートで流れを引き寄せる
後半に入り、まず試合を動かしたのは背番号30、山田新選手でした。55分、自陣からの鋭いインターセプトを起点に佐々木が右サイドから脇坂へとつなぎ、そこからこぼれ球を山田が収めての反転シュート。相手DFを背負いながらも身体の強さと冷静さを見せた見事なゴールでした。
このゴールはまさに「こじ開けた」先制点でした。前半は決定機で枠を外す場面もありましたが、山田選手は試合を通じて果敢に動き出し続けており、その執念が結実した形です。脇坂選手のトラップが流れたのも、逆に山田の足元にうまく転がったのが幸運でもあり、結果として素晴らしいタイミングでの先制点となりました。
この1点でフロンターレの選手たちの表情が変わったのを感じました。試合の主導権を完全に手繰り寄せた瞬間だったと思います。
伊藤達哉、待望のJ1初ゴールで追加点!交代策が的中
先制からわずか18分後、今度は途中出場の伊藤達哉選手が輝きを放ちます。右サイドからの崩しに始まり、佐々木のクロスに相手DFが反応しきれず、こぼれ球が逆サイドへ流れる展開。そこへ現れたのが伊藤選手でした。ワンタッチでの冷静なダイレクトシュートで追加点を奪い、J1初ゴールをクラシコという大舞台で決めるという、まさにドラマのような展開です。
試合後の本人コメントでも「ゴールは遅かれ早かれ決まると思っていた」と語っており、その自信と準備の確かさがピッチで実を結びました。エンブレムをアピールする姿にサポーターとしてもグッとくるものがありましたし、これからの攻撃の核になっていく期待が高まります。
交代策としても、このタイミングの伊藤投入は見事だったと思います。ピッチに立ってすぐに流れを作り、わずか2分で結果を出すというのは並の選手にはできません。今後のスタメン争いにも大きな影響を与えるゴールになったことでしょう。
締めの一撃はエリソン、脇坂のインターセプトから生まれた決定打
83分、試合を完全に決定づけたのは3点目。これまた途中出場のエリソン選手がゴールを決めましたが、このシーンを作ったのは脇坂泰斗選手のインターセプトでした。相手のパスコースを読み切って奪い取り、そのままドリブルで持ち上がってからの完璧なラストパス。エリソンはフリーで待ち構えており、冷静にゴールに流し込むだけという理想的な形でした。
得点シーンの完成度もさることながら、そこに至るまでの過程がまさに「チームのゴール」だったと感じました。前線からの守備、周囲の連動、そして個の決定力。この3点目で完全に勝負は決まりましたし、FC東京の選手たちの足も止まり始めていました。
コメントでもエリソン選手は「脇坂がパスをくれると信じて準備していた」と語っており、信頼関係と準備の積み重ねがあの瞬間に凝縮されていたように思います。連戦を戦う上で、こうした途中出場選手の活躍がますます重要になるだけに、非常に価値ある一撃でした。
今後への期待と気になる選手たちの状態
GK山口瑠伊のビッグセーブ、無失点の影の立役者
この試合で3得点が話題となる一方、忘れてはならないのがGK山口瑠伊選手のパフォーマンスです。特に前半7分の顔面ブロックによるビッグセーブは、チームにとって非常に大きな意味を持ちました。あそこで先制点を許していれば、まったく違う展開になっていた可能性もあっただけに、まさに「守護神」と呼ぶにふさわしい活躍でした。
また、安定したキャッチングと判断力も光っており、FC東京の速攻やクロスにも動じることなく対応していたのはさすがの一言。守備陣との連携もスムーズで、シュート数7本、枠内2本という数字以上に、相手に決定機を作らせなかった要因の一つだったと感じています。
ここ数年、GKのポジションには不安定さがあった時期もありましたが、今季の山口選手はどんどん存在感を増しており、まさにチームの屋台骨。これから続く連戦においても、彼の安定感は勝点を積み上げるための鍵となるでしょう。
変化の兆し見せた守備陣とボランチの組み合わせ
この試合のもう一つの収穫は、守備陣とボランチの組み合わせの成熟度です。最終ラインでは三浦・丸山・高井・佐々木の4人がそれぞれ役割を果たし、高井選手は俵積田選手の突破に対して素晴らしいブロックを何度も見せました。丸山選手のインターセプトから先制点が生まれたように、前への意識も強く、チームの守備に厚みが出てきた印象です。
また、ボランチには山本悠樹と大島僚太のコンビが先発。前半はなかなか持ち味を出し切れなかった印象もありますが、それでもセカンドボールの回収やパスの散らしで貢献。監督がコメントしていたように「4人全員を使いたい」という言葉の通り、橘田や河原との組み合わせも含め、今後の起用法が楽しみです。
攻守のバランスを保ちながら、個の特長をどう生かしていくか。これからの試合で監督がどんな選択をするかによって、さらにフロンターレのサッカーが進化していくはずです。
次節に向けた課題と、さらなる飛躍へのポイント
3-0というスコア以上に、試合内容でも優位に立てたクラシコ勝利。非常にポジティブな要素が多かった一戦ですが、決して課題がなかったわけではありません。前半はなかなか思うように攻撃を展開できず、決定機を逃す場面も見られました。特に山田選手の13分、15分のシュートシーンは、流れを変えるチャンスだっただけに、決定力の面では今後の改善が期待されます。
また、後半にリズムを作れたとはいえ、FC東京にボールを保持される時間帯もありました。支配率では56%対44%と劣っていた点からも、ボールを握る時間をどう増やすかは重要なテーマです。
ただし、守備の安定感、交代策の的中、そして複数の選手が得点に絡んだという点では非常に希望が持てる内容でした。特にエリソンや伊藤などの途中出場組が結果を残したことは、連戦を戦ううえで大きなアドバンテージになるでしょう。
次節以降もこの勢いを維持しつつ、前半から主導権を握る試合運びができれば、タイトル争いに名乗りを上げる力があると確信しています。チームの成長を信じて、引き続き応援していきたいと思います。
【まとめ】
今節のFC東京戦は、川崎フロンターレにとって非常に大きな意味を持つ一勝でした。
前半の苦しい時間を無失点でしのぎ、後半に3ゴールを奪っての快勝。山田の先制点、伊藤のJ1初ゴール、そしてエリソンのダメ押し。交代策がすべて結果に直結し、チーム全体の完成度が着実に高まっているのを感じる試合でした。
守備陣の安定、GK山口の集中力、そして途中出場の選手たちの躍動。連戦の初戦としては文句なしの内容で、今後に向けて非常に大きな弾みとなることでしょう。次節もこの勢いを保ちながら、タイトル争いに食い込む戦いを見せてほしいところです。







