ACLを目前に控えた大事な一戦。2025年J1第4節、ホーム・とどろきスタジアムで行われた川崎フロンターレ vs 京都サンガF.C.の試合は、私たちサポーターにとって苦い結果となりました。今季初黒星という現実はもちろん悔しいですが、それ以上に見えた課題と可能性、そして選手たちの覚悟に、目を離せない試合でもありました。ACLへ向けた試金石となったこの一戦を、フロンターレサポとして振り返ります。
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ACL前に痛恨の敗戦 川崎フロンターレ、京都の守備に沈む
前半は主導権を握るも、決定機を生かせず
川崎フロンターレは中2日で迎えた過密日程の第6戦。ホーム・とどろきスタジアムにて京都サンガF.C.を迎えた今節、ACLラウンド16直前の重要な一戦でした。スタメンにはエリソン、山内、ヴェロン、伊藤らが名を連ね、総力戦で挑む構えが見えました。
立ち上がりからフロンターレは積極的にボールを保持し、左サイドの伊藤、右のヴェロンを中心に揺さぶりをかける展開。中盤の河原と橘田もコンビネーションを見せながら、主導権を握る場面が続きました。特に19分の山内のミドルシュートや、エリソンのプレスからのシュート未遂(ファウル判定でノーゴール)など、チャンスを創出できていたことは評価に値します。
しかし、京都のコンパクトな守備ブロックを前に、肝心の決定機を作るには至らず。再三のクロスやコーナーキックも得点にはつながらず、前半はスコアレスで折り返す結果となりました。終始攻勢だったものの、最後の質の部分で物足りなさを残したまま、試合は後半に突入します。
後半の失点が試合を分けた最大のポイント
後半開始直後、フロンターレはアイダルに代えて高井を投入。より前への推進力を強めたい意図が感じられましたが、試合の流れを変えたのは京都のワンチャンスでした。
49分、中盤での不用意なバックパスがカットされ、そこからショートカウンターを浴びると、奥川雅也に決められ痛恨の失点。橘田のミスが絡んだ形ではありましたが、京都の鋭い反応と判断力が一枚上手でした。
この失点以降、フロンターレはギアを一段上げて猛攻に出ます。マルシーニョ、家長、脇坂と次々に攻撃的なカードを切り、サイドからのクロスやゴール前のセカンドボールを狙うも、京都の粘り強い守備とGKの好セーブに阻まれます。84分、86分、88分と立て続けにチャンスが訪れるも、最後の一歩が届かず。最後までゴールネットを揺らすことができず、0-1で試合終了となりました。
京都の堅守に苦しんだ川崎の攻撃陣
この試合を通じて、川崎フロンターレの攻撃陣は決して悪くはありませんでした。山内の積極性やエリソンのフィジカル、ヴェロンの突破力は随所に見られましたし、終盤には家長やマルシーニョが中央へ入る形も作れていました。
それでもゴールが奪えなかった要因は、京都の守備が非常に組織的だったことに加え、フロンターレの攻撃がやや単調になっていたことにあると感じます。特に後半はサイドからのクロスに頼る場面が多く、中央での崩しやミドルレンジからのシュートの選択肢が乏しかったように思えます。
また、選手間の距離感ももう一歩だった印象です。ボールはつながるものの、シュートやラストパスにつながる場面が少なかったことは、指揮官の言う「最後の質」に課題がある証左でしょう。試合後、佐々木旭が「もったいない試合」と語った通り、内容だけを見れば勝ち点を落とすべき試合ではなかったと言えます。
交代カードと選手の奮闘、勝利への執念は見せたか
エリソンや山内ら新戦力のチャレンジと可能性
今節の川崎フロンターレでは、これまで出場機会の少なかった選手たちが先発に名を連ね、過密日程の中でフレッシュな戦力がピッチに立ちました。特に注目したいのがトップで先発したエリソンと、その下に位置した山内日向汰の存在です。
エリソンは持ち前の推進力とフィジカルを生かして前線でボールを収め、前半には惜しいシュートを放つ場面も。ゴールこそ奪えませんでしたが、ポストプレーや裏抜けでチャンスメイクに貢献しており、今後のACLやリーグ戦での活躍に期待が持てます。
一方、山内も中盤から果敢に仕掛け、19分にはエリア外からのミドルシュートでスタジアムを沸かせました。今季初スタメンとは思えない堂々としたプレーで、攻守にわたって存在感を発揮。今後、ボール奪取力や展開力をさらに磨けば、フロンターレの中盤に新たな選択肢として定着する可能性を感じさせてくれました。
彼らのような新戦力が「自分の力でチャンスを掴みにいく姿勢」を見せてくれたことは、チーム全体にとっても大きな収穫と言えるでしょう。
キャプテンマークを巻いた佐々木旭の覚悟
この試合でひときわ気合いのこもったプレーを見せていたのが、初めてキャプテンマークを巻いた佐々木旭選手でした。攻守にわたって積極的なプレーを見せ、右サイドからの崩しやクロスで幾度もチャンスを演出。後半には惜しいミドルシュートも放ちました。
試合後のコメントでは、「勝てばチームとして一つ成長できた試合だった」と語り、悔しさと同時にリーダーとしての責任感がにじみ出ていました。キャプテンマークを巻いたことについても、「これから巻いていなくても引っ張れる存在になりたい」と前を向いており、彼の今後の成長に大きな期待がかかります。
守備では1対1の対応やクロスへの対応で安定感を見せ、ピンチの芽を摘むシーンもありました。今後のACLでも、彼のような“走れて戦えるサイドバック”が鍵になる場面は多くなるはずです。
家長・マルシーニョらベテランの投入と終盤の猛攻
後半、失点を喫してからの川崎フロンターレは交代カードを積極的に切り、流れを引き戻そうと試みました。投入されたのは家長昭博、マルシーニョ、脇坂泰斗という頼れるベテラン陣。特にマルシーニョは左サイドから切り込む姿勢を見せ、家長とのコンビネーションでチャンスを作り出していました。
76分にはマルシーニョの折り返しから家長が決定機を迎え、惜しくもゴール左に外れる場面も。終盤の攻勢では脇坂のCKから河原のこぼれ球シュートや、家長のヘディングなども見られ、スタジアムのボルテージは最高潮に達しました。
ベンチから見ればまさに“全員で勝ちに行った姿勢”は明白であり、最後まで諦めない姿勢はサポーターの胸を打ったのではないでしょうか。指揮官も「焦っていたとは思っていない」と語るように、崩し方の工夫やパスの質に課題を残した一方で、意図のある攻撃は確かに存在していました。
次節はアジアへ──ACLラウンド16に向けて
今節の反省点をどう活かす?守備と判断力の見直し
今回の京都戦で明らかになったのは、1つの判断ミスが試合を決定づけてしまうというJ1の厳しさでした。49分の失点は、橘田選手のバックパスが起点となり、相手のショートカウンターを許す形に。本人も試合後に「技術的なミス」と認めており、ACLというさらにタイトでミスが命取りとなる舞台に向けて、この反省はチーム全体で共有されるべきです。
また、試合を通じて目立ったのが、ボールを奪った後の判断の遅れやパスの精度のばらつきでした。チームとしてポゼッションを重視しながらも、縦へのスピードを欠いた場面が多く、チャンスの数に対してフィニッシュまで持ち込めた回数は限られていました。
守備面では最終ラインがよく耐えたものの、セカンドボールの回収やサイドのケアに課題を残しました。ACLでは個の能力が高い選手とのマッチアップも増えるため、今節のような「ちょっとした綻び」が致命的になることは言うまでもありません。
攻撃の精度と連携をACLでどう高めるか
川崎フロンターレといえば、多彩なパスワークと流動的なポジショニングによる崩しが持ち味。しかしこの試合では、相手がブロックを敷いた際に手詰まりになる場面が散見されました。特に中央のコンビネーションやサイドからの仕掛けにおいて、アイデアや連携の部分でやや物足りなさを感じました。
試合後のコメントでも「最後の質」という言葉が繰り返し使われていたように、ラストパスやクロス、そしてシュートの精度が今後の課題となります。ACLでは一瞬の隙や一手の精度で勝敗が決まるため、この精度を上げることは至上命題です。
一方で、選手たちは明確な意図を持ってプレーしており、チームとしての方向性がブレていないことはポジティブな材料です。マルシーニョ、家長、エリソン、脇坂といったタレントが連動して機能すれば、どんな相手でも崩せる力を持っていると信じています。
フロンターレに期待するACLでの巻き返し
いよいよ次節からはACLラウンド16、舞台はアジアへと移ります。昨季はラウンド16で悔しさを味わっただけに、選手・スタッフともに期するものは強いはずです。今季こそ、タイトル獲得を本気で狙うシーズンになると確信しています。
試合後、選手たちのコメントには共通して「ACLで巻き返す」という意志が込められていました。特に車屋選手は「唯一、自分たちに足りないタイトル」と語っており、クラブとしても悲願の初優勝へ向けて、すでに視線は前を向いています。
まずはアウェイ第1戦で失点を防ぎつつ、アドバンテージを持ち帰ることが重要になります。連戦の疲労はあるものの、ここで真価が問われるのがフロンターレ。主力・若手・ベテランが一丸となって戦えば、必ず突破の道は開けるはずです。
次こそ、サポーターと共に歓喜の瞬間を味わいたい。ACLの舞台での快進撃を心から願っています。






