待ちに待った2025年J1リーグの開幕戦。川崎フロンターレはホーム・等々力に名古屋グランパスを迎え、注目の一戦に挑みました。ACLから中3日という厳しい日程のなか、我らがフロンターレは果たしてどのようなスタートを切るのか——。ピッチに立ったのは、経験豊富なベテランと、アカデミー育ちの若武者たち。その融合が見事にハマり、開幕戦とは思えぬ完成度の高いサッカーを披露してくれました。
4得点すべてがアカデミー出身者によるゴール。そして2試合連続のクリーンシート。まさに“未来”と“現在”をつなぐような勝利に、心から胸が熱くなりました。この記事では、そんな歴史的開幕戦を、前後半の流れ、注目選手の活躍、今後への期待も含めて、たっぷりと振り返ります。
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試合開始前の高まる期待と注目点
川崎フロンターレの開幕戦、ACLから中3日の挑戦
2025年シーズンのJ1開幕戦、我らが川崎フロンターレはホーム・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで名古屋グランパスと対戦しました。この試合は、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のアウェイ浦項戦から中3日というタイトな日程のなかで迎えることとなり、選手たちのコンディションやメンタル面が一つの注目ポイントでした。
ACLで無失点勝利という良い流れを持ち込んだこともあり、スタジアムの雰囲気はポジティブそのもの。ファン・サポーターとしても、Jリーグ開幕戦というだけでなく、”強いフロンターレ”の再確認ができるのかに大きな期待を寄せていたと思います。
選手たちの体調管理やメンタル調整、戦術の落とし込みなど、クラブ全体の準備力が試されるこの一戦。開幕戦とはいえ「たかが1試合」ではなく、「されど1試合」。最高のスタートダッシュを切るためには、勝利という結果が不可欠でした。
名古屋グランパスとの対戦で見えた戦術的な注目点
この試合の対戦相手は、守備に定評のある名古屋グランパス。長谷川健太監督のもと、堅い守備ブロックと鋭いカウンターが持ち味です。対するフロンターレはボール保持をベースにした攻撃的なスタイル。構図としては、ポゼッションを重視する川崎 vs ブロック守備からの速攻を狙う名古屋、という明確なスタイルのぶつかり合いになりました。
特に注目されたのは中盤の攻防。名古屋の稲垣選手が川崎のボランチに対して厳しく当たる中、フロンターレはあえてリスクを取らず、山田新選手への縦パスやセカンドボールを活かす戦い方を選択していました。ここで焦らず戦えたことが、後半の爆発につながったと感じています。
戦術的な緻密さと柔軟性を兼ね備えたフロンターレの試合運びは、開幕戦とは思えないほど落ち着いており、さすがの一言でした。
スタメン発表と新戦力・若手起用に込められた狙い
スターティングメンバーには注目の新戦力やアカデミー出身の若手が並びました。トップには山田新選手、2列目には脇坂、マルシーニョ、ヴェロン、ボランチには山本とルーキーの河原、そして最終ラインは三浦、丸山、高井、佐々木という構成。GKはACLに続き山口瑠伊選手が起用されました。
このスタメンには「今シーズンは新しいフロンターレを見せる」という強い意志が表れていたように感じます。実際、山田選手をはじめ、アカデミー出身選手たちが軸となって得点を重ねた試合展開は、まさにその期待を超えるものでした。
また、ACLでの無失点起用が評価された形でスタメンに名を連ねた山口選手が、今回も安定したセービングでクリーンシートに貢献したことは、ポジション争いにおいても重要な一歩になったと言えるでしょう。
拮抗した前半と後半の劇的変化
前半は無失点でしのぎ切る安定した守備
試合の立ち上がりは、名古屋の攻撃的な仕掛けに対して川崎がやや受け身になる展開でした。1分には右サイド裏を狙われるなど、立ち上がりにヒヤリとする場面もありましたが、ディフェンス陣がしっかりと対応。GK山口瑠伊の安定したポジショニングと、丸山・高井のセンターバックコンビの統率された守備が光りました。
フロンターレとしては、風と太陽の影響もある難しい状況の中、無理に攻め急がずに慎重な立ち上がりを選択。中盤でのボールの回収や、河原の大胆なサイドチェンジでリズムをつくる場面もあり、我慢強く戦いながら相手の運動量を削る展開に持ち込みました。
一方で、佐々木旭の負傷による16分の交代はややアクシデントではありましたが、際の投入で穴を埋め、むしろその後の右サイドが活性化するきっかけにもなりました。攻守両面で集中力を切らさず、セットプレーでも冷静に対応。終盤に名古屋の攻勢が強まる時間帯もありましたが、チーム全体が落ち着いて対応し、スコアレスで後半へとつなげたのは大きな収穫だったと思います。
セットプレーからの先制点、高井幸大の冷静な一撃
均衡が破られたのは後半13分、三浦颯太のフリーキックに高井幸大が頭で合わせ、ネットを揺らしました。この場面、VARチェックによる中断もありましたが、最終的に得点が認められたことで、スタジアム全体が一気に沸き立ちました。
高井選手はセンターバックとしての守備はもちろん、セットプレーでの得点力も魅力。ACLでも無失点に貢献し、今回も先制点を奪ったことで完全にチームの信頼を掴んだ印象です。本人も試合後に語っていたように、「セットプレーに力を入れていた」という狙い通りの形での得点となり、まさに準備の成果が結実した瞬間でした。
この1点で試合の流れは明確にフロンターレへ。名古屋は交代カードを切って攻勢に出るも、逆に自分たちのリズムを崩す結果となり、守備の隙を突かれる展開に。セットプレー一発で試合を動かす、その強さをこの試合で見せつけたと言えるでしょう。
流れるような連携から追加点、山田新と山内のゴールに感動
先制点からわずか9分後、左サイドでの素早い連携から三浦が折り返し、それに山田新が合わせて2-0。このゴールは、川崎らしいパスワークと流動的な動きが完璧にハマった美しい形で、山田選手は前線での起点としての動きに加え、フィニッシュの場面でも冷静さを発揮しました。
その後も攻撃の手を緩めることなく、79分にはポスト直撃のシュートからこぼれ球に反応した山内日向汰が押し込み3点目。87分には途中出場の宮城天が、ヒールで華麗にゴールを決めてダメ押しの4点目をマーク。いずれのゴールも、個人技だけではなく、チームとしての連動と意思統一が感じられる素晴らしい得点シーンでした。
驚くべきは、4得点すべてが川崎アカデミー出身選手によるものだったという点です。山田、山内、宮城、そして高井。これまでクラブが積み上げてきた育成の成果が、まさに結果として表れた試合だったといえるでしょう。フロンターレらしい、クラブの哲学が反映された後半の爆発劇でした。
開幕戦の勝利が示すチームの未来と今後の注目
アカデミー出身カルテットの4得点が示す育成の成果
この試合最大のトピックと言っても過言ではないのが、4得点すべてをアカデミー出身選手が記録したという事実です。高井幸大の先制点を皮切りに、山田新、山内日向汰、宮城天と、育成組が次々にネットを揺らす姿には、感動すら覚えました。
試合後、脇坂選手も語っていた通り、アカデミーからトップチームへと階段を上がってきた彼らの姿は、今後の若手選手たちにとっても大きな励みになります。また、2023年にオープンした「Ankerフロンタウン生田」の存在を含め、クラブがアカデミー強化に注力してきた成果が、こうしてピッチ上で実を結びつつあるのは、ファンとして誇らしい気持ちになります。
今季、彼らが中心となってチームを引っ張っていく姿を見られることは、単なる勝敗以上に意味のあること。川崎フロンターレというクラブが、しっかりと未来を見据えた戦略を持ち、育成と結果を両立できるクラブであることを改めて証明した試合だったと思います。
守備陣の連携と山口瑠伊の安定感
攻撃陣の爆発が目立ちましたが、この試合においてもうひとつ大きな収穫だったのが、守備の安定感でした。山口瑠伊がJ1デビュー戦でクリーンシートを達成したというのは、彼自身にとっても、クラブにとっても非常にポジティブな出来事です。
丸山祐市と高井幸大のCBコンビは声の連携もよく、名古屋のスピード系アタッカーへの対応も冷静そのもの。SBに入った三浦と際の両選手も攻守に渡って走り続け、まさに鉄壁の守備陣を形成していました。
また、前線からの守備も見逃せません。山田新やヴェロンが相手のビルドアップを制限し、セカンドボール回収率を高めたことで、名古屋は攻撃のリズムをつかむことができませんでした。こうした全体的な守備意識の高さが、2試合連続の無失点という結果につながったのだと思います。
守備が安定することで攻撃に厚みが増す。今のフロンターレには、そのポジティブな循環が確かに生まれていると感じました。
次節への期待と、今季フロンターレの可能性
開幕戦で4-0という快勝を収めたことは、今季のスタートとしては申し分のない結果です。しかし、シーズンはまだ始まったばかり。この勢いをどう次節、そしてその先へとつなげていけるかが、重要になってきます。
次節以降のポイントとして注目したいのは、ACLとJリーグの両立という点。特に過密日程になるシーズン中盤以降は、選手のローテーションやコンディション調整が大きな鍵を握るでしょう。開幕戦で見せたように、アカデミー出身の若手や新加入選手が活躍できる体制があることは、今後の大きな強みになります。
さらに、開幕から2試合連続で無失点という守備の安定感は、昨季にはなかった部分。監督の指導が確実に選手へ浸透しており、チーム全体の守備意識が一段高まっている印象を受けます。
個人的には、山田選手のさらなる得点や、ヴェロン選手のフィット、さらにはベテランと若手の融合がどこまで進むかが今季の注目ポイント。攻守のバランスが取れている今のフロンターレなら、上位争いどころか、優勝戦線に名を連ねる可能性も十分にあると感じました。






