咲花正弥フィジカルコーチで、ヴィッセル神戸のトレーニングが変わる?

咲花正弥(さきはな・まさや)のプロフィール

咲花正弥(さきはな・まさや)さんというひとを知っていますか?

今年、ヴィッセル神戸のフィジカルコーチに就任したトレーナー。彼の経歴がとてもおもしろいんですよね。

1974年6月13日、東京都練馬区出身。

東京・自由学園大卒業後、光学機器メーカー「オリンパス」で3年半勤務。

その後2003年に米ニューヨーク州のイサカカレッジ大学院で運動生理学の修士課程を修了し、アスリーツ・パフォーマンスで勤務し、2008年から10年までドイツ代表のフィジカルコーチ、2009年から10年には日本代表フィジカルコンディショニングアドバイザー。

2011年から米国代表のフィジカルコーチを務め、2018年からJ1神戸のフィジカルコーチに就任したフィジカルコーチです。

2度のワールドカップを現地で経験した日本人フィジカルトレーナーなんて他にはいませんからねー。そして、咲花さんは室伏広治と共著を書いていたりしますよね。

ドイツを優勝に導いた肉体改造とは?

ドイツ代表がブラジルW杯で優勝できたのは、2000年にドイツサッカー協会が始めた「育成改革」、2004年に就任したクリンスマン前監督による「組織改革」、そして現監督のレーブによるピッチ内の「戦術改革」があったからと言われています。

しかし、クリンスマンによってアメリカから呼び寄せられた『アスリーツパフォーマンス』による「肉体改革」の影響も大きかったと言われていますよね。

『アスリーツパフォーマンス』は、1999年にアメリカ人のマーク・バーステーゲンが立ち上げたジムで、アメリカンフットボール、バスケットボール、野球、テニスなど、あらゆるアスリートの肉体強化を担っており、食事や生活の指導を行なうのも特徴で、現在は『EXOS』という名前に改名された。

そのアスリーツパフォーマンスでトレーナーをしていたのが咲花正弥(さきはな・まさや)さんでした!

アスリーツパフォーマンス(EXOS)の考え方

アスリーツパフォーマンスのトレーニングの考え方は『人間の本来持っている機能はこうあるべきだ』というところから始まるそうです。

解剖学的・機能学的に見て筋肉はこう働かなくちゃいけないとか、走るときにこう動くのが一番効率的だとか、そういうベースから考えて、どう競技につながるかを考えるということ。

これは、サッカーだから、野球だから、陸上だからと、スポーツの種類によって変化していくわけではなく、さらに言えば、高校生だからとか、プロだからとかで変化するわけではなくやるべきことは同じというところからスタートしているんだって!この考え方をきいただけで面白いよね。

咲花さんはドイツ代表のすごいところを

「ハイブリッドな動きが自然にできるようになるには、毎日、毎日やらなければいけません。1回だけではダメで、日々の練習前のアップの中で同じことを繰り返す必要がある。むしろレベルが高くなるほど、繰り返しが重要になります。だからドイツが10年間も同じやり方を続けたことに大きな意味があります

と何よりも継続したことが一番すごいと評価していました。

ドイツ代表がワールドカップで3位になったことで、そのアスリーツパフォーマンスのトレーニングをブンデスリーガの各クラブに落とし込み、代表に選手が呼ばれたときのギャップを減らしていったのがワールドカップ制覇につながったといわれています。

このコンセプトの統一がサッカー強豪国と、ワールドカップで結果が残せない日本代表の違いだよなーと。監督が変わるたびにコンセプトを変えていくようでは結果は出ないんだよなー。

咲花正弥がヴィッセル神戸のフィジカルコーチ就任

そんな咲花正弥氏が、今季からJ1神戸のフィジカルコーチに就任しました。これは面白いですよねー。先ほどのプロフィールでも書きましたが、ドイツ代表と米国代表のスタッフとして2010年南アフリカ、2014年ブラジルW杯に2大会連続で参戦した経歴を持つという、世界を知る日本人。

ヴィッセル神戸にとっては、けが人が多くてチームの順位が上がらなかった昨年度のことを思うと、悲願であるACL出場権の獲得の為にポドルスキ以上に大きな補強と言っても過言ではありません。

咲花正弥を呼び寄せたのはポドルスキ

咲花正弥を呼び寄せたのはポドルスキからの連絡だったらしいです。

「チームには伸びしろがある。ドイツでやったことを神戸の選手にもやってほしい」

さらに時を同じくしてヴィッセル神戸からの熱心な誘いも重なったそうです。

咲花氏がアスリーツパフォーマンスで指導したメンバーには、まだ無名だったサッカー女子米国代表FWアビー・ワンバックや女子テニスのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、アリゾナ州立大の学生だったダスティン・ペドロイア(レッドソックス)らだそうです。

今見ると、凄いメンバーですよねー。

さらに、先ほども書きましたが、米国在住だったユルゲン・クリンスマンがサッカーのドイツ代表監督に就任した際にアスリーツパフォーマンスの手法を採用したことがきっかけで、2008年からドイツ代表のフィジカルコーチとして派遣されて、ポドルスキと知り合いました。

それが今年のヴィッセル神戸のフィジカルコーチ就任につながるんですから面白いですよねー。

欧州選手権準優勝、W杯3位、室伏広治のサポート

2008年欧州選手権準優勝、2010年W杯南アフリカ大会3位などドイツ躍進を支えた咲花さんは、サッカー日本代表や陸上男子ハンマー投げの室伏広治もサポート。

 

ドイツがワールドカップ優勝するまで、ブンデスリーガの各クラブに働きかけることでアスリーツパフォーマンスのフィジカルトレーニングを続けたように、一番大事なのは「続けること」ですが、ヴィッセル神戸はそれができるのか?っていうのが大きなポイントになりそうです。
 
ヴィッセル神戸は有名な選手をとってきてチームを作るイメージがあるので、咲花さんのフィジカルトレーニングを時間をかけて継続していくというのができるのか?というのがヴィッセル神戸の今までを考えると…何とも言えないんですよね。

『ケガ予防』と『パフォーマンス向上』

「ケガがなくなってもパフォーマンスが良くならなければ、アスリートとしての生産性は上がらない」

と咲花氏は公言していて、『ケガ予防』『パフォーマンス向上』を車の両輪のように回していくことを重要視するそうです。

「使えていなかった筋肉を刺激して使えるようにすることで、肉離れしやすかったハムストリングへの負担が軽減してケガをしにくくなり、臀部の筋肉を使えるようになることでパフォーマンスも良くなる」

といったような、けが予防だけでもなく、パフォーマンス向上だけでもない、両方が成立するといった、連動性が大事だというのがアスリーツパフォーマンスで得た咲花産の考え方だそうです。

これは面白いよね。日本代表のフィジカルコーチもしていたんだけど、それがJリーグの各クラブチームに落とし込めたわけではないから、そういう点でブンデスリーガとJリーグの違いを感じますよね…。一枚岩じゃない感じ。

小川慶治朗もチームの変化を

「体幹を意識したトレーニングが増え、“ザ・筋トレ”というものがなくなった」

と語り、本当に今年のヴィッセル神戸は面白くなりそうです。

咲花氏いわく「サッカー選手はお尻=臀部が大事」ということなので、ヴィッセル神戸の選手のお尻に注目したいですねw

「クラブに一つのカルチャーを作りたい」という咲花氏の思いが、ヴィッセル神戸に変革をもたらすのを期待しています。